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2月に立川公演決定!ジブリ映画の音楽にも参加した「ロバの音楽座」松本さんの特別インタビュー


去年、玉川上水の「ロバハウス」で行われたクリスマスの特別公演
で素晴らしい演奏を聞かせてくれた「ロバの音楽座」が、2月11日(土)にたましんRISURUホールで音楽会「コンサートのぼうけん」を上演します!

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編集部がクリスマス公演で感じたのは、初めて耳にする古楽器独特の音色の美しさと、食い入るような子どもたちの視線。

一体なぜ古楽器にこだわるのか。なぜ子どもたちに届けるのか。何を伝えたいのか…

そんな謎を解き明かすべく、ロバの音楽座を主宰する松本雅隆(がりゅう)さんにお話をうかがってきました。


はじめに、「ロバの音楽座」とは…

1982年、松本雅隆により結成された合奏団。カテリーナ古楽合奏団を母体として、中世・ルネサンスに生まれた古楽器や、自由な発想で作った“空想楽器”を演奏。

『こころあたたまる「音と遊びの世界」を子どもたちに』という言葉を掲げ、全国のホールや子どもおやこ劇場、小学校、幼稚園などで公演やワークショップを行っている。

また、これまでに東映教育映画「みみをすます」で谷川俊太郎とともに出演したり、NHKテレビ番組「おかあさんといっしょ」への出演、ジブリのアニメ映画「ゲド戦記」の楽曲に演奏で参加、テレビCMの音楽作曲など、その音楽や活動は各方面で注目を集めている。

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メンバー

松本雅隆=バグパイプ、ハーディガーディ、パンパイプ、クルムホルン、リコーダー、テーバーパイプ、プサルテリー、歌 他
上野哲生=リュート、サズ、サントゥール、プサルテリー、ラウタ、ルネサンスギター、ダフ、歌 他
冨田りぐま=ポルタティーヴ・オルガン、足踏みオルガン、コンサーティーナ、歌 他
大宮まふみ=リコーダ-、フルート、ボウドプサルテリー、パンパイプ、歌 他
長井和明=セルパン、クルムホルン、ブンパカパッパ、リコーダー、テナードラム、歌 他
松本更紗 ビオラ・ダ・ガンバ 笙 踊り  歌 他

※上記は去年行われたクリスマス公演のメンバーで、作品によって編成は異なる


【立川新聞】
松本さん、今回はよろしくお願いします。まずは、昨年末のクリスマス公演、おつかれさまでした。素晴らしかったです。

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【松本さん】
ありがとうございます。おかげさまで、たくさんの人が来てくれました。

【立川新聞】
玉川上水での公演ということで、やはり地元立川のお客さんが多かったですか?

【松本さん】
それが意外とそうでもなくて、今年も市外や県外からもたくさんお客さんが来てくれました。逆に立川のお客さんの方が少なかったかもしれません。
昨年末は沖縄からも2組、他にも名古屋や全国各地から来てくれました。わざわざ僕たちの公演のためだけに。本当に有り難いことです。

【立川新聞】
市外や県外からいらっしゃるお客さんの方が多いとは…驚きです。
といいつつ、立川在住の私も今回初めて拝見させていただいたのですが…
初めて観て感じたのは、まずはハーモニーの美しさ。シャッターを切りながら、自然と涙がこぼれました
6人が曲によってさまざまな楽器に持ち替えて演奏していましたが、大きな楽器や小さな楽器、どんな楽器を使っても、6つの音や歌が完璧なバランスで自然に調和しているように感じました。

【松本さん】
ありがとうございます。
僕たちが使っているのは主に中世ヨーロッパで誕生した楽器を復元したものですが、その頃の楽器は人々の暮らしの中で“歌とともに”育ちました。
そのため、現代楽器のように大きな音がするものが少なく、生音で歌声と無理なく調和し、他の楽器とも馴染みます。

【立川新聞】
楽器は一回のステージで何種類使いますか?

【松本さん】
しっかり数えたことはありませんが、30種類以上は使っていると思います。
曲の雰囲気に合わせて、適材適所で楽器たちをキャスティングするような感覚で選びます。

【立川新聞】
30種類はすごいですね。しかし、なぜそれほどたくさんの楽器を使うのでしょうか?

【松本さん】
いろんな古楽器をみなさんに紹介したいという気持ちがあります。
また、この頃の楽器は現代のギターやバイオリンのように、ひとつの楽器で完結しえない、素朴で構造がシンプルなものが多いので、楽曲の音域や他の楽器との相性を考慮しながら、それぞれがもっとも活きる組み合わせを考えると、気付いたら30種類…という感じです。

【立川新聞】
それぞれが素朴でシンプルだからこそ、それらを合わせた時に初めてひとつの音楽として成立するということですね。美しいハーモニーの理由が少し分かった気がします。

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【立川新聞】
松本さんが感じる古楽器の魅力とはなんですか?

【松本さん】
いろいろありますが、とにかく僕にとっては“しっくりくる”ということです。
音大生だった頃、巷に溢れる音楽に少し違和感を抱いて、自分がやるべき音楽は?楽器は?と、いつも考えていました。
そんなとき、初めて出会った古楽器が、「クルムホルン」という笛でした。
まるで木の枝のような触り心地とシンプルな構造、そして、自然な音色に「コレだ!」と感じたことを今でも憶えています。

roba-house26(バグパイプを演奏する松本さん)

【立川新聞】
そんな古楽器の音色を、なぜ子どもに向けて届けようと考えたのですか?

【松本さん】
40年以上前のこと、カテリーナ古楽合奏団の演奏会で、古楽器の音色に子どもがとても興味を示し、集中して耳を傾けている姿にたびたび遭遇しました。
その様子を見て、「これは今の子どもたちが求めている音なのでは?」と直感したんです。

今の時代、音楽を演奏することや創ることを難しいものと考えてしまう傾向がありますが、昔古楽器が生まれた頃、生活と音楽はとても身近な存在でした。
僕らが小さい頃は、道端で歌を歌いながら遊ぶ光景が日常にありました。しかし、だんだん道端で遊ぶ子どもがいなくなり、音楽は生活の中から姿を消して、学校やテレビの中の存在に変わっていきました。そんな時代の移り変わりを目の当たりにして、これは問題だと思ったんです。

ロバの音楽座は「音と遊び・音の落書き」をキーワードに、古楽器や空想楽器(身近な物で創るオリジナル楽器)を使った音楽で、子どもたちが心から求める自由で身近な本来の音の楽しみ方を伝えていきたいと思っています。また、「子どもに向けて」とはいいつつ、子どもをフィルターにしながら大人にも同じメッセージを感じ取ってもらいたいです。

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【立川新聞】
最後に、2月の公演に向けて一言お願いします。

【松本さん】
「コンサートのぼうけん」は、僕たちの演奏と娘(松本更紗さん)の踊りで、来場していただくみなさんをファンタスティックな“音探しの冒険”の世界へと誘います。
“お母さんのお腹の中での音探し”から始まり、やがてその子が大きくなり、いろいろな音に出会っていきます。
笑いや感動もあり、視覚的にも楽しめる作品ので、小さな子どもでも楽しんでいただけると思います。ぜひご家族でいらしてください。


松本さん、素敵なお話をありがとうございました!

この作品で、子どもたちはたくさんの音や感覚と出会うことになります。

それをきっかけに、「こんなものをつくってみたい」「こんなことにチャレンジしてみたい」と、冒険心や創作意欲が湧き上がってくるかもしれません。

子どもは音と出会い、大人は子どもの新たな一面と出会う。

ぜひご家族で素敵な“出会い”を楽しんでみてはいかがでしょうか♪

ロバの音楽座|コンサートのぼうけん
日時:2月11日(土) 14時 開演/13時30分 開場
場所:たましんRISURUホール(立川市市民会館)大ホール
チケット:全席自由 大人2500 円/子ども1500 円(中学生以下)/親子ペア(大人子ども各1名) 3500 円
※ 0 ~3歳児は入場不可
会場で託児サービス(有料)あり。詳細・申し込みはたましんRISURUホールへ。※申込締切:2月5日(日)
公演時間:80分(休憩なし)
主催:公益財団法人立川市地域文化振興財団
協力:NPO 法人立川教育振興会
後援:NPO 法人立川子ども劇場/立川市教育委員会

★立川新聞読者特典★
予約・購入時に「立川新聞を見た」と言っていただいた方には、読者特典として1割引でご購入いただけます!
なお、割引でのご購入はたましんRISURUホールでの電話予約、来館のみとなります。
たましんRISURUホール(立川市市民会館) TEL.042-526-1311

オンラインチケット 公益財団法人立川市地域文化振興財団
※割引は適用できませんのでご了承ください。

ロバの音楽座ホームページ


 

おまけ…

インタビューのあと、特別に普段一般公開していないロバハウスの離れにある一室「空想音楽博物館」を拝見させていただきました。

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松本さんがワークショップのために考案した空想楽器や、旅先で見つけた珍しい楽器、立川出身のアーティスト、赤川BONZE政由さんや中里繪魯洲(なかざと えろす)さんと共に創った作品、親交のある谷川俊太郎さんからいただいた品など、名品がズラリ!

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ひとつひとつの作品を説明する松本さんのイキイキとした瞳は、まるで子どものよう。

その表情を見て、「ロバの音楽座」は子どもに向けた音楽を発信するといいつつ、きっと純粋に松本さんが好きなことをやっているのだなと感じました。

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この博物館、ぜひ一般公開してほしいですね。

貴重な品にワクワクした後は、玉川上水をゆっくり散歩。

ゆったりアートと自然を楽しめる最高のひと時でした。

松本さん、「ロバの音楽座」のみなさん、ありがとうございました!

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文・写真:しも
長野県安曇野市出身、立川在住のフリーライター。レゲエユニット「KaRaLi(カラリ)」でミュージシャンとしても活動中。
KaRaLi:FacebookKaRaLi

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