12月22日(金)、23日(土・祝)、24日(日)の3日間、たましんRISURUホールで行われる音楽劇「西遊記 ~悟空のぼうけん~」。
たちかわ創造舎の稽古場にお邪魔して、台本・演出を手掛ける倉迫さんにお話をうかがいました。
倉迫 康史(Koji KURASAKO)
ラジオ番組の放送作家などを経て、豊島区の「にしすがも創造舎」に参画。
2007~2013年まで上演された人気シリーズ「子どもに見せたい舞台」の演出を担当し、毎年動員数2000人以上を記録する。
現在はたちかわ創造舎を拠点に活動する劇団「Theatre Ort(シアターオルト)」の主宰・演出を務めながら、たちかわ創造舎チーフ・ディレクターとしても活動中。
2017年にたましんRISURUホールで上演した“子どもとおとながいっしょに楽しむ舞台”「音楽劇 アラビアンナイト」は、2日間で約1300人の動員を記録した。
−−–昨年のアラビアンナイトから早くも一年経ちましたが、その間シアターオルトとしてはどのような活動をされていましたか?
【倉迫さん】
「今年の12月に上演する「西遊記 ~悟空のぼうけん~」を見据えて、夏頃からは、西遊記にまつわる演劇を立川市や国立市、豊島区などの都内全12ヶ所で上演しました。今回RISURUホールで演じるのは孫悟空と三蔵法師が出会った後のストーリーですが、西遊記って、その前の話も長いんです。まずは孫悟空が生まれてから天に刃向かって山に閉じ込められるところまでを25分ほどの作品として各地で上演してきました。」
−−–では、猪八戒や沙悟浄が登場するのは今回が初めてということですね。
【倉迫さん】
そうなんです。豊島区や国立市で西遊記を観に来てくれたお客さんから「クリスマス、立川に行きます!」という声も多くいただいています。」
−−–今回題材として西遊記を選んだ理由はなんでしょうか?
【倉迫さん】
「昨年演じた「アラビアンナイト」もそうでしたが、「演劇を通して異国の宗教や文化、雰囲気を伝えたい」、「世界文学として親しまれているスタンダードな名作を演じたい」という二つの思いがあり、今回は西遊記を選びました。しかも西遊記は、ストーリー自体は三蔵法師一行が妖怪を倒しながら天竺を目指すという“少年ジャンプ的”な冒険ストーリーで、わかりやすい活劇として楽しんでもらえるので、子どもとおとながいっしょに楽しむ舞台としてピッタリの題材だと思います。」
−−–昨年の「アラビアンナイト」を踏まえて今回意識したことはありますか?
【倉迫さん】
「前回のRISURUホールでは、600人規模の大会場に子ども連れのお客さんがとても多く足を運んでくださり、色々な発見がありました。」
「今回はそれを踏まえて、お子さんにもパパやママにもより快適に、負担なく演劇を楽しんでもらえるように色々と改善しました。例えば、前回は80分休憩なしで一気に上演しましたが、子どもの集中力を考えて今回は間に10分休憩を挟みます。子どもたちのためでもありますが、小さなお子さんを連れたお母さんやお父さんも一息つく時間になればと思います。」
−−–今回の見所を教えてください。
【倉迫さん】
「まず注目してほしいのが、孫悟空たちが使う武器などの小道具です。前回はあえて小道具をあまり使わず、例えば剣なども布で表現しましたが、今回はたちかわ創造舎を拠点に活動する演劇集団「風煉ダンス」さんに武器の小道具製作をお願いしたので、素晴らしいものが仕上がると思います!」
▲演劇集団「風煉ダンス」が2016年に立川で上演した「スカラベ」の舞台セット
「また、孫悟空や猪八戒、沙悟浄といった妖怪たちの独特の動きにも注目してほしいです。架空の妖怪の動きを表現するために、「風煉ダンス」と同じくたちかわ創造舎を拠点にする劇団「すこやかクラブ」のうえもとしほさんにムービング・ディレクターとして協力してもらいました。」
−−–前回同様、打楽器奏者の古川玄一郎さんの生演奏が入るわけですよね?あれは本当に素晴らしかったです。
【倉迫さん】
「そうです、今回も古川さんに西遊記の世界観を表現してもらいます。」
▲「アラビアンナイト」で演奏していた打楽器奏者の古川玄一郎さん
−−–とても楽しみです!前回行なっていた子ども向けのワークショップは今回もありますか?
【倉迫さん】
「もちろんやります!会場のロビーを使って劇に参加するための簡単な工作をしてもらいます。作ってもらった道具は、孫悟空たちが妖怪と戦うシーンで活躍する重要なアイテムになります。」
▲「アラビアンナイト」の様子
−−–それでは最後に一言、読者にメッセージをお願いします。
【倉迫さん】
「今年の「西遊記 ~悟空のぼうけん~」は、ヒーローアニメを見ているような感覚で、子どもも大人も派手に楽しめる内容です。同時に奥深い宗教的な背景も感じることができ、さらに素晴らしい生演奏の音楽がついてきます。「無心で楽しんでいたら、気づいたらアートの入り口に立っていた。」そんなキッカケになれば嬉しいです。」
倉迫さん、素敵なお話をありがとうございました!
今年のクリスマスは、RISURUホールで三蔵法師御一行と妖怪退治。
あなたも参加してみてはいかがでしょうか?
立川シアタープロジェクト presents 子どもとおとながいっしょに楽しむ舞台 vol.2
「西遊記 ~悟空のぼうけん~」
■公演日時:2017年12月22日(金)19:00開演,23日(土・祝)・24日(日)13:00開演
※受付開始、当日券の販売、開場は開演の60分前を予定
※上演時間は約80分を予定
■会場:たましんRISURUホール・大ホール
■料金:全席自由 大人 前売1500円/当日2000円,中高生1000円,小学生以下500円
※3歳以下膝上無料。お席が必要な場合は有料。
■チケット取扱い:チケット発売中
・たましんRISURUホール 042-526-1311(9:00~20:00・第3月曜日休館)
・財団オンラインチケット http://www.tachikawa-chiikibunka.or.jp
■台本・演出:倉迫康史(たちかわ創造舎チーフ・ディレクター,Theatre Ort主宰)
■出演:Theatre Ort ほか
■主催:立川シアタープロジェクト実行委員会(立川市、立川市地域文化振興財団、たちかわ創造舎)
■協賛:株式会社共立 ■協力:株式会社合人社計画研究所
■後援:立川市教育委員会 昭島市教育委員会 日野市教育委員会 国分寺市教育委員会
国立市教育委員会 立川商工会議所 立川観光協会 立川市商店街振興組合連合会
■企画・製作:たちかわ創造舎
文・写真:しも
長野県安曇野市出身、立川在住のフリーライター。レゲエユニット「KaRaLi(カラリ)」でミュージシャンとしても活動中。
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