立川が舞台の映画「公衆電話」の撮影場所にもなった「酒歩たから」。店主の想いが伝わる居心地のいいお店です。立川グルメ

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かつて、立川は映画館が10館もあり映画の街といわれるほど。多摩地区では最多だったそうです。そのシンボル的な存在だった南口の映画館「名画座」。その名画座通りの冠をつけた映画祭「立川名画座通り映画祭」が今年で4回目を迎えます。
名画の上映と自主制作短編映画のコンペが柴崎学習館で9月16日まで開催されます。
その作品の中で編集部が特に気になる作品が「公衆電話」。映画の舞台が立川で、しかもロケを行ったお店が編集部もしばしばおじゃまする「酒歩たから」さんなんです。

立川名画座通り映画祭の招待作品「公衆電話」の舞台となった「酒歩たから」

編集部が初めてたからさんを訪れたのが5年前。
立川のことに詳しい先輩に教えていただいてから、ちょくちょく来ているのですが、この提灯の灯りのノスタルジーというか・・・吸い寄せられてしまいます。

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店内はゆるく逆くの字になったカウンター席とテーブル席、お店の外にはテラス席も。

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壁には昔の立川のポスター、カウンター席や本棚には昭和の立川の写真集や立川の情報誌が置かれていて、古き良き立川の雰囲気。
入り口側のカウンターでは招き猫が迎えてくれます。

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「いらっしゃいませ♪」と店主の岡村さん。大きすぎず、小さすぎず、丁度良い大きさの声でいつもほっとする編集部。
そして、夏は冷たい手拭、冬は暖かい手拭を「はい、どうぞ」と手渡してくれます。

たからさんではおつまみの写真や、お店のイベントにも来て写真を撮ったりと記事にする要素は揃っていたのですが、この前、岡村さんからお店の名前の由来やお店への想いを聞くことが出来たこと、たからさんがロケの舞台にもなった「公衆電話」が立川名画座通り映画祭で上映されること、機は熟し、記事をようやく書いてます。

編集部が素敵だなぁーと思ったのが、店名の由来と、岡村さんがお店をはじめた理由。

立川新聞
酒歩たからの店名について、その由来というか、教えていただけますか?

岡村さん
昔、「焼き鳥宝」というお店があってね。カウンターが7席と小上がりが一つだけの小さなお店だったの。私が23歳の頃からずっと通って、そのお店にはいろんな年齢のいろいろな職業の方がいて、カウンターで横並びになりいろんな話をしたの。

岡村さんの話しに吸い込まれるように聞き入ってしまいます。
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岡村さん
満州引き上げの苦労や、東京大空襲の空の赤さ、若い人の就職の苦労や、結婚への不安。今はそのお店はなくなってしまって。そんな「焼き鳥宝」がとても好きだったから、人々が集う場を提供するお店を今度は私が作ろうと思ってね、「たから」という店名にしたのね。

なんていい話・・・「焼き鳥宝」には行ったことがないけど、十分すぎる程イメージが湧きます。今のたからさんがそうだから。カウンター横並びに人々が集う場所。

岡村さんに見せてもらったんですが、オープンする時のこういうお店にしたいというメモ。
内装は老若男女が落ち着く和風。カウンター席は隣の人と好きな距離が取れるベンチシート。(混んできたら詰めてくださいね。)
トイレがこうこうと明るくてほろ酔いの自分の顔がばっちり見えるのは興ざめ。だから、トイレの明かりは抑えめでetc 今のたからさんのお店そのもの。だから居心地のいいお店なのだとあらためて実感した編集部。

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いろいろ昔話をしてきましたが、「公衆電話」に登場するもう一つ気になっていたのが「たこさんウインナー」。編集部が必ずといっていいほど頼む一品で、これがいろんなお酒に合うんですよ。

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たこさんウインナーを炒めるゴマ油は太白(たいはく)胡麻油(白いごま油)で、焙煎ごま特有の香りや色がなく、サラっとした味わいと照りがありうまいんですよ。これが。
お客さんにいい調味料使っているんだからもっと見えるところに置いてみては?といわれたほど、調味料が違います。みりんや砂糖、油など、わかる人なら納得するようです。
たこさんウインナー380円

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もちろん他にも岡村さんの手料理は軽いおつまみから、少しお腹にたまるものまであり、その日の飲み方によって頼むのも様々。

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国産牛すじの煮込み680円。

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いりそうめんは和風カルボナーラ風で480円。定番もののメニュー以外に、その日その日の一品が壁に貼ってあります。

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あと、岡村さんといえば、じつはベリーダンサーなんですよ。だからお店でベリーダンスやアラブの太鼓の演奏会もあります。近々には10月8日(月・祝)に【平井ペタシ陽一&濱元智行パーカッションライブ】があるそうです。

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若いころ通い続けたお店がとても好きで、そのお店がなくなった今、自分がそのお店の様な・・・
こんな素敵なストーリーを持ったお店「酒歩 たから」さん。
カウンターでいろんな人と話して顔見知りとなり、ついつい帰り際にお店をのぞいてしまう。ちょっと寄って行こって。


酒歩 たから

営業時間:16:00~23:30
定休日:日曜
住所:立川市柴崎町2-4-18
TELL:042-528-1510

文・写真:Yuji Toda
立川新聞編集長/カメラマン
https://www.yujitoda.com/

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