以前「ワインとマリアージュ」というテーマでイベントにご協力いただいた、
大人の隠れ家的ワインバー「Bar Aladi」
先日、マスターの田ノ下さんからRestaurantsマナー、Bar入門について若い人向けにイベントをするのでゆるーく取材どうですか?とお誘いがあり。
マナーについては気をつけているのですが・・・レストランのマナーについては誰かに教わったわけではなく、Barもお酒にまかせてもう一軒といった感じで。
しっかり身につけるためにも取材してきました。
マナーと聞くと堅苦しく感じてしまいますが、レストランで食事を楽しむために知っておくと良い知識だと編集部は思います。
田ノ下さんのレストランマナーについて事前に用意したテキストに沿ってお話がはじまりました。
それは、お店を予約することからはじまります。
日時・人数・連絡先を明確に伝え、当日時間が前後するようでしたら必ず連絡しましょう。基本的な事ですがお店の印象も良くなりスムーズに席に案内してもらえます。
レストランにおいてのドレスコードとはそのお店においてどの様に扱われたいかという事なので、服装が良ければ目立つ中央の席に案内され、悪ければ誰からも目立たたない端の席に案内されます。(場合によっては入口で帰されることに・・・)お店でどのように扱われたいか。ドレスコードという言葉の意味がわかると思います。
お店に入る時は、男性であれば先ず女性を先に店内に入れて、女性のコートを預かりお店のスタッフに渡します。それから自分のコートを脱ぎ、予約の名前を伝えます。席に案内される時も女性を先に遠し座るのもまず女性が座ってから座るようにします。女性の方は小さなハンドバックなど手荷物の置く場所が気になると思いますが、紐がついている場合、背板と自分の間に置くというのがルールですね。
とにかく男性はホスト役!レディファーストに心がけましょう。
注文時、コースにてお願いする時
《レストランのコースメニューの基本構成》
フランス料理
アミューズ ブーシュ(先付け)
前菜
スープ
主菜
デザート
イタリア料理
エントラータ
前菜
パスタ料理(スープ含む)
主菜
デザート
この日は若い男女10名が参加。Aladiさんの「本日のコース」を頂きながら、田ノ下さんがポイントをお話ししていきます。
田ノ下さん
料理の内容を確認してエスコートする相手の苦手な食べ物を確認し、必要であれば料理を変えてもらいましょう。アラカルトの場合は一皿のボリュームを確認して皿数を調整する方法も。リストランテ(イタリアン)ではパスタ料理を最後に頼むのは避けてください。
本日のコースがこちら
《アミューズ》
オリーブとセミドライトマト
《前菜盛り合わせ》
田舎風パテ/トリッパのトマト煮/生ハムと果物
烏賊の墨煮/スモークサーモンと茄子
鰯とジャガイモのテリーヌ/豚レバーのペースト
マスカルポーネチーズと蜂蜜
《主菜》
牛肉のロースト
《デザート》
クラシックショコラ
《チーズ》
パヴェ・ダ・フィノワ
ワインリスト
《アミューズ》
De Bertoli n/v Sparkling
《前菜》
Feruds Disisa 2015 Daliar Chanrdonnay
《主菜》
BelCplle 2007 BarbarescscoRis
《デザートとチーズ》
Eirados 2010 Late Bottlled Vintage Porto
まずはアミューズ/エントラータからと呼ばれる軽いツマミと共にシャンパンから。
田ノ下さん
ドライシェリー・軽めのカクテルなどお店のサービスマンののおすすめがあれば従ってみるのも良いと思います。
レストランと呼ばれるお店では基本ビールは置いてないのでビール以外を注文しましょう。
※日本は接待などのシーンもあるのでビールが置いているお店が多いです。
確かに編集部もついついビールを頼んでしまいがちです。
乾杯ですが、グラスをあわせるのはNGだそうです。
グッと飲み干さないで一口飲んでグラスを置いて拍手する。
編集部は神社のお参りの作法「二礼二拍手一礼」のように聞こえてしまいました。
立川新聞
レストランにおけるマナーについてなるほど!と思ったのがナプキンの使い方。
中座するときには椅子の背にかけるか、座面に置くか、テーブルにクシャっと置いても大丈夫。
知らなかったのが食事が終わって帰るときにナプキンをきちんと綺麗にたたんでテーブルに置くのはNG!
この意味は食事が不満足でしたという意味だそうです。
田ノ下さん
クシャっと適当に置いて帰るのが「ごちそうさまでした。美味しかったです!」という意思表示になります。
立川新聞
これは勉強になりました。
食事の際にどうしても避けては通れないナイフ/フォークの使い方。
田ノ下さん
高級なお店の場合は料理ごとに手袋をして指紋がつかない様にシルバーのナイフフォークを持ってきてくれます。
持ち方としては人差し指を添えてもいいし使いやす持ち方でいいです。フィッシュスプ-ン(魚料理のスプーン)は鉛筆持ちをしてください。一応のルールなのですが持ちにくい時は食べやすいように使っていただいて大丈夫です。
他の人に不快な思いをさせないというのがマナーの原則ですので、あとは堂々としていることが大事。
食事中ですというのがこちら。フォークを下に向けてください。
食事が終わったらこちら。
ナイフは腹側を自分に向けてください。食事が終了しましたという合図になります。
マナーの講義の合間、参加した皆さんはお酒が入ってきたのか賑やかになってなってきました。
ワインの注文について。
田ノ下さん
ワインリストを渡されてもワインの名前が書いてあって普通の人にはわからないと思います。そこに好きなワインがあってそれがあったら頼んでもいいんですけど。そうじゃなければ価格帯を伝えて、お店の人に任せてください。
普段飲んでいるワインがどういうワインなのか細かく伝えて、その上で選んでくれます。
男性の参加者
例えば8000円ぐらいでとか?
田ノ下さん
そうですね。直接言った方がいいですね。5000円とか8000とか、1万円以内でとか。
男性の参加者
ちょっとよさげのワインでとか?
田ノ下さん
ちょっとよさげだとほんとに良いのが出てきて後でう―――んとなる場合もあるわけですよ(笑)まぁコースの値段が二人で2万円ぐらいだったら、目安としては1万円ぐらいのワイン。そういう感じです。ソムリエの方に美味しかったよって言えば、次!頑張ってくれます。
男性の参加者
基本的なテイスティングのマナーはどうすればいいんですか?どういうところに気をつけた方がいいんですかね。
田ノ下さん
そこにダメになったワインの香りがするウィスキーがります。
参加者の皆さん、あっわかります。酸っぱいよね。ブショネの香りに、うーーん、ちょっとかび臭い?木の匂い?等々。
ワインがこの香りがしたら傷んでいる証拠なんですよ。と田ノ下さん。
田ノ下さん
そこそこのレストランに行ったら、ソムリエがチェックしてるんですよ。出てくることはまずないです。そのためのテイスティングなので万が一出てきたら突っ返してくださって結構です。
ワイングラスの持ち方について。
田ノ下さん
日本だとよくステムを持ってくださいと、言われてますが、レストランではボウル部分を持ってください。安定する持ち方が正解です。くれぐれも裕次郎持ちにならないように・・・
ただ、立食パーティーの時に乾杯などでシャンパングラスを持つときは見た目が綺麗なのでステムを持ったほうがいいですね。
「ゴトッ」ここで参加者の方が床に携帯を落としてしまい・・・タイミングよく
田ノ下さん
レストランで物を落としてしまった時。ナイフフォークであったりナプキンであったり何らかのものを落とした場合、自分で拾わないようにしてください。お店の人に拾ってもらう様にしてください。
参加者の方
たとえば食事中のお肉をマルマル落としてしまった場合は?
いやっマルマルはなかなかないと思いますが・・・
田ノ下さん
女性の方でしたら「お肉落としちゃった・・・」と言えば、サービスマンの方が「ちょっと厨房に聞いてきますね」とお肉を焼き直してくれることがあります
お肉の食べかたですね。塊のお肉で出てきた場合、ごくまれに細かく切ってから食べ始める人がいるんですけで、これはマナー違反です。何故かというと肉汁が全部出てしまうからです。
どうぞ冷めないうちに召し上がってください。
参加者Aさん
美味しいですね。
参加者Bさん
おいしいです。
参加者Cさん
うーーん幸せ。
お会計
お会計で男性が払う場合は女性がお手洗いに行くタイミングで、もしくはそうのような状態を作って(笑)
お会計を済ませましょう。ワリカンの場合は二人で仲良くお会計をお願いしてくださいね。
ほかにも女性の香水が強すぎた場合に男性の対応?食事が美味しくなかった時は?などいろんな質問がありましたが、今までいろんな人を見てきたマスターのアドバイスが恰好良すぎて…
参加した人たちはみなさん納得して実践されると思いました。
最後にお店側の立場として、お客さんの要望が明確であればやれる事がいっぱいあって、そこに沿って僕たちも動くのでサービスがとてもスムーズになります。せっかくお金を払ってきていただいているので120%楽しんでいただきたいです。
こんな姿勢が滲み出ているのでいいお店なんだなとつくづく思いました。
田ノ下さんのレストランマナー講習のあとカウンターに席を移動して、BARの楽しみ方についてのお話。以前立川でバーテンダーをしていた吉宮さん。今は都内4店舗でバーテンダーとして活躍中です。
カウンターがあってバーテンダーがいて・・・同じようなお店ばかりと思われがちですが、BARにはタイプがあります。一つは「箱」が売りのお店。高層ビルの最上階など「空間を楽しむお店」。次に「人」で売るお店。店主や趣味を前面に出しているお店。3つ目が「お酒」で売るお店。お酒のラインナップが適度にあり、カクテル・食事もできる総合型、ウイスキー専門・カクテル専門などの特化型。お店を使い分けることができるとより楽しくなります。
BARはレストランほどマナーについてFREEですが、いくつかポイントが。
BARに限らず飲食店という空間は公共の場であり、他の方も同じように楽しむためにお店にいらっしゃいます。マナーとはその空間を壊さないための「気遣い」のようなものです。自分が楽しく飲むために、他の方が楽しく飲んでもらえるような気遣いができる方は、お店側でも一目おく存在になります。
お客様同士の会話について。これは編集部も気になるところ。声をかけていいのか?迷うこともありますよね。
お店によっては、お一人で来店されているお客様同士の会話もNGというところもあります。逆に積極的に会話ができるお店もあります。一人で誰にもじゃまされず過ごした時は全社のお店を、人恋しいときは後者を、その日の気分やその時の状況によってお店を選びましょう。
Barメニューはソーダやジュースがしっかり入ったスタイルのロングドリンクから、甘いカクテル、甘くないカクテル、アルコールの強いカクテルなど6種類を用意。
Gin Fizz
雪国
Daiquiri
Side Car
Grass Hopper
Martini
Barでは「お席」=「空間」を保証します。その対価として「チャージ」が発生します。立川では大体¥300円~¥1000くらい。No Chargeのお店も多くあります。お店での滞在時間についてBARでは基本3杯までと言われてます。お酒を1杯飲むのにカクテルで大体15分から20分。ウイスキーでも同じくらいが25分ほど。注文する前に何を飲もうかと考えている時間とバーテンダーが提供するまでの時間。飲み終えた後の余韻。これらあわせて30分の時間を1杯の酒で楽しめます。すると3杯で1時間30分ほど楽しめるという訳です。せっかく2人でお店に来てくれたのに空きは1席。自分の横が空いている。そんな時は1時間30分楽しんだから次の人そうぞと、会計して席を空ける。自分が好きなお店を他の方にも楽しんでいただく気遣いができると素敵です。
BARに長居をしない。・・・
そんな飲み手になってほしい。
今回のレストランマナー&Barの楽しみ方で感じたのは、ホスト役のエスコートがいかに大事かという事。
頭ではわかっていても、いろんな場面に遭遇し経験を重ねていくことで、自然と振舞えるようになると編集部はあらためて感じました。
取材にお誘いいただいたAladiの田ノ下さんありがとうございました。
レストランマナー&BAR入門のこの後は、立川食べ歩き隊500人記念突破パーティーが行われるビアホールへ向かった編集部。マナーを実践出来ずビール飲み放題の夜を過ごしました。
バル・アラディ Bar Aladi
TEL:042-523-3917
営業時間:18:00~翌2:00
定休日:日曜日
東京都立川市錦町1-5-6 サンパークビル
文・写真:Yuji Toda
立川新聞編集長/カメラマン
https://www.yujitoda.com/