立川から羽ばたく人を取り上げるコーナーflight of tachikawa
お店やイベントの取材でインタビュー取材をしてきた編集部ですが、以前から立川で活躍する人そのものを取り上げ、この記事がマイルストーンになる様に「flight of tachikawa」はじめます。
記念すべき第1回目はイラストレータの「ちよやあいみ」さん。
以前取材したカフェcocokaraの加藤さんから連絡をいただいたのがきっかけでした。
お店の壁のイラストを描いたイラストレータのちよやさんが、ニューヨークで日本のアートの素晴らしさを広めるjcat主催の展覧会にて日本人アーティスト100人に選ばれたと。
以前から温めていたこの企画にふさわしいんじゃないかと思い、さっそくニューヨークに旅立つ前に取材しました。
立川新聞
ちよやさん、こんにちは。ニューヨークの展覧会に参加されるそうですが?
ちよやさん
はい、インタビューってはじめてなので・・・緊張しますね。イラストを描く仕事をしている中でクライアントさんがいて人に喜んでもらうことがいつからか絵を描くゴールになってしまって。それは大切なことだと思いますが、自分が心から描きたい!という意欲がなくなってしまった時がありました。それで本当に純粋に描きたいもの描く時間を作りました。描いたものが貯まってきて、インスタグラムにUPしていて、それをニューヨークで日本の若手アーティストの展示を企画しているJCATからお誘いがあり、審査を受けて参加することになったんですよ。
立川新聞
そうですか。インスタを見てニューヨークからお誘いがあったんですね。SNSの威力はすごい!
その後、ちよやさんの学生時代にバックパッカーとして訪れたイギリスがとても気にいったこと、そこで出会った人との価値観の違い、人と接することで成長することなど、編集部の僅かなヨーロッパ体験と交えながらお話ししました。
ちよやさん
就職してインテリアショップの仕事をしていたのですが、24才の頃に、どうしてもまたイギリスに行きたくて・・・美術を学びにボーンマス大学に短期留学したんですね。そこでイラストを学んで、日本の大学とは違い、自分の好きなところを伸ばしていくことを重視してくれて。日本だとどうしても技術的なところというか、企業向けの実践的なことを学ぶことが多くて、自分の内側を突き詰めていくスタイルでとても新鮮でした。今描いているのもそういった経験があったからかな、と思ってます。
その頃、ちよやさんはイラストレーターとしてよりも、海外での生活をすることが最優先で、仕事をしてお金を貯めてワーキングホリデーで海外へというスタイル。そんな時一つの変化があったようです
ちよやさん
サヴィニャックをご存知ですか?フランスででルノーや、エールフランスなどのポスター作家として一世を風靡した作家です。勤め先だった恵比寿三越さんでサヴィニャック展をやっていて、毎日通っていました。そこでオーナーさんに毎日来ているね?と声をかけられて。ちょうど友達を訪ねてパリに行く直前でフランスのお話をたくさんお伺いすることができました。パリでは、洋服を作っている友人のお家に泊めてもらっていたのですが、友人は働いていたので1人の時間がたくさんあって一ヶ月間、カフェや美術館で絵本を描いて過ごしていました。とてもその絵本が気にいりこの本を出版したい!とワーキングホリデーで行くはずだったオーストラリア行きをやめ、日本に戻り出版するため出版社に電話をかけまくりました。
でも当たり前ですが思ったよりも大変だった。ほぼどこの出版社さんにも門前払いを受けました。
立川新聞
それは、すごくバイタイリティがあるというか、行動力があるんですね。
ちよやさん
空回りも多かったですが、パワーがありましたね!笑
どうしよう…と思っていると、サヴィニャックのギャラリーのオーナーさんから「最近若手のアーティストを応援している。ギャラリーを使って展示してみないか。」って言ってくれて。はじめてそこで自分の物語を展示しました。ギャラリストさんのコネクションで出版社さんにも見ていただけアドバイスをいただきました。結果的に絵本は出版できなかったんですが、絵がかわいいと、ブティックのオーナーさんにホームページのイラストを頼まれたのがイラストレーターとして最初のお仕事でした。その後自然の流れでイラストの仕事をするようになり、それって、そうしなさい!といわれている様な気がして。絵を描いて喜んでもらえる、役に立てるんだ!と思って嬉しかったです。
今年でイラストレーターになって5年目になります。その内の2年は結婚•出産をして群馬県の藤岡市で家族と過ごしましたが去年離婚をし、東京の立川に戻って来ました。
結婚前は練馬や浅草に住んでいてイラストレーターになってから地元の立川に住むのは始めて。地元のガイドブックの絵を描かせていただいたり、地元企業さんのイベントに参加させていただく機会が多くなりました。それを地元の友達が見に来てくれたり、立川に来たことがない人が足を運んでくれたりして、地元で活動をするということが新鮮で、街や人をより身近に感じられるようになりました。また、中学校からの友人の加藤さんがシネマ通りにカフェをオープンする瞬間に立ちあえ、彼女の志を聞いて私も何か地元のためにできたらと思うようになりました。自分が今いるここから何かを発信していけたらと思っています。
アーティストとして走り出したちよやさん。そんな時にNYでの「WE展」参加のお誘いがあったそうです。本来、ヨーロッパのスタイルが好きなちよやさんは、アメリカでの出展を悩んだそうですが、尊敬するアーティストさんのアドバイスでWE展に出展することに決めたそうです。
さぁーお待たせしました。ここからはニューヨークへ取材に!
いえいえ編集部にそんな余裕はありませんよね。
ちよやさんのナビゲートでNY&WE展をレポートします!
空港からの移動中に夜のタイムズスクエア。
ネオンが華やかでいろんな人でごったがえしていてもうニューヨークなんだ!と嬉しくなりました。
地下鉄の中のカフェ。
街の何気ない場面が好きで写真をたくさん撮りました。カメラに向かって笑顔を向けてくれる人も多くてオープンな空気を感じました。
総勢100名の日本人現代芸術家が、We (わたしたち)というテーマで、世界中の才能あふれるアーティストの作品が集まるニューヨークのダウンタウン西側にあるチェルシーのPleiades Galleryと提携した展示会「WE展」
WE展を主催するJCATは、日本人アーティストのために作品を発表する機会を提供し、アートは全ての人のものであり、毎日楽しむものである”ART For Everyone, Everyday”を伝えていくことをMissionとしているそうです。
そして、今回のWE展では、アートを通して日本の文化をニューヨーク、そして世界中に発展させ、アートを架け橋に人と人を繋げていくこと。
こちらがちよやさん展示作品。
ちよやさん
オープニングレセプションにてライブペイントをさせていただきました。
予想以上にたくさんのオーディエンスの方がいて、びっくりしました。
終了した後に感想を話に来てくれた方も多く、色々な感性で受け取ってくれたことに感動しました。
ニューヨークのギャラリー内。(自分の展示(以上に!)今回すごくいい経験になったのがギャラリー巡りです。価値観を覆される作品ばかりでした)
現地のスカルプチュアアーティストのケビンさん。ケビンさんとの出会いは今回の旅の一番の思い出です。尊敬するアーティストに出会えたことは大きな収穫でした。
立川から羽ばたく人を取り上げるコーナーflight of tachikawa。第1回目は立川出身のアーティスト「ちよやあいみ」さんでした。これからの彼女の活躍が楽しみですし、立川から世界に羽ばたいていって欲しいですね。
そんな彼女の展示が10月10日から16日まで伊勢丹立川店6Fで開催されます。ニューヨークから帰国後初、WE展の展示作品はもちろん、彼女のEMOTIONな作品に触れてみる機会。ぜひご覧ください。
あと、カフェcocokaraにも彼女の描いた立川駅周辺のMAPやイラストが描かれてますので、お茶をしながらゆっくり過ごすのもいいですよ。
ちよやあいみ
問い合わせ:aimichiyoya@gmail.com