クリスマスに演劇の贈りもの。公演直前「アラビアンナイト」の稽古に潜入!

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今年の9月に子ども未来センターの芝生広場で行われた演劇集団「風煉ダンス」による野外劇「スカラベ」

あの感動と興奮から3ヶ月が過ぎた今月、12月23日と24日の2日間、たましんRISURUホールで音楽劇「アラビアンナイト」が開催されます。

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編集部は師走の冷たい風が吹く12月の某日、劇団のリハーサルにお邪魔してきました。

公演間近ということで、稽古もおそらく仕上げの段階。

ピリピリムードを覚悟して稽古場の扉をゆっくり開けると…

Arabian-Nights_00023あれ。

みなさん笑ってる。

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ふざけてる?(笑)

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予想に反する和やかムードで、こちらも巻き込まれて笑ってしまいました。

とにかくみなさん明るくて、演じることを心の底から楽しんでいる様子。

次々に新しいアイデアを出し合い、その場でお芝居がどんどん変化していきます。

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本番まであと1週間切ってますよね?大丈夫でしょうか?(笑)

いろいろ気になってしまったので、稽古の休憩時間に、台本・演出を手掛ける倉迫さんにお話をうかがいました。


 

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倉迫 康史(Koji KURASAKO)
ラジオ番組の放送作家などを経て、豊島区の「にしすがも創造舎」に参画。
2007~2013年まで上演された人気シリーズ「子どもに見せたい舞台」の演出を担当し、毎年動員数2000人以上を記録する。
現在はたちかわ創造舎を拠点に活動する劇団「Theatre Ort(シアターオルト)」の主宰・演出を務めながら、たちかわ創造舎チーフ・ディレクターとしても活動する。


【立川新聞】
現在お芝居の仕上がりはどれくらいですか?

【倉迫さん】
まだ60%くらいでしょうか。
「音楽劇」ということで、打楽器奏者の古川玄一郎さんによる演奏が加わります。
さらにバックスクリーンに映像も映す予定です。
そのすべての要素を、12月19日の週からRISURUホールで行う本番リハーサルで合わせていきます。

【立川新聞】
以前は豊島区のにしすがも創造舎にいらっしゃったそうですが、なぜたちかわ創造舎に?

【倉迫さん】
にしすがも創造舎では、「子どもに見せたい舞台」に携わりながら、豊島区の文化発展を10年間に渡って見守ってきました。
そのうちに、自分が住んでいる街に想いを馳せるようになり、ちょうどその頃たちかわ創造舎立ち上げの話が舞い込んできて、今に至ります。
生まれは宮崎県で、今は日野在住ですが、立川に住んでいたこともあり、この辺は“地元”のような感覚です。

【立川新聞】
今回は倉迫さんがたちかわ創造舎に来て手掛ける最初の演劇作品となりますが、題材に「アラビアンナイト」を選んだ理由はありますか?

【倉迫さん】
一番の理由は、子どもも大人も楽しめるから、です。

にしすがも創造舎では「子どもに見せたい舞台」と銘打って児童向けの芝居を強く意識してやってきました。「みんな~こんにちわ~♪」という感じ。

しかし、そこで気付いたのは、良い意味で「子どもは意外とついてきてくれる」ということ。今回は、子どもを意識しすぎず、もっと本質的なことを表現しようと思いました。

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日本でアラビアンナイトといえば、アラジンやアリババ、シンドバッドなど、冒険や浪漫溢れる児童向けのお話というイメージが強いですが、原作は「妻の不貞を知った国王が女性不信になって、一夜を共にする女性を次々に殺すようになる。それを止めるために1人の女性が王に枕元で物語を語ると、その話がとてもおもしろく、王は毎晩話の続きが聞きたいと、その女を生かし続ける。」という話が主軸になった性愛小説で、残酷な要素も多くあります。

翻訳者によってさまざまに解釈されたこの物語は、表現するうえで懐が深く、今回の企画「子どもと大人がいっしょに楽しむ舞台」にピッタリとハマると感じました。

だから、もちろん子どもも楽しめますが、子どもをダシにして大人が見に来てくれても充分満足できる思いますよ。笑

【立川新聞】
最後に、意気込みを聞かせてください!

【倉迫さん】
クリスマスという祝祭の日に、劇場という特別な場所にみんなで集まり、演劇を観て楽しい時間を共有する。これはとても素晴らしいことだと思います。

演劇は、その街に生きる人たちの未来を明るくする、希望のひとつになり得ます。

12月23・24日は、RISURUホールに足を運んだお客さんが「この街に住んでいてよかったな。」と思える芝居を作れるように、劇団員一同全力で頑張ります。

【立川新聞】
ありがとうございました。本番を楽しみにしています!


 

立川新聞は公演当日もお邪魔させていただきます。

チケットはまだ若干の余裕があるそうなので、気になる人はぜひお早めに!

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立川シアタープロジェクトpresents
子どもとおとながいっしょに楽しむ舞台vol.1

「音楽劇 アラビアンナイト」
日時: 12月23日(金・祝),24日(土) 13時開演
会場: たましんRISURUホール 大ホール
料金: 全席自由
大人 前売1,500円/当日2,000円
中高生 1,000円
小学生以下 500円
※3歳児以下膝上無料
※23日は前売完売。当日券は会場受付で販売予定。
・たましんRISURUホール 042-526-1311(9時~20時/第3月曜日休館)
・財団オンラインチケット(http://www.tachikawa-chiikibunka.or.jp/

台本・演出: 倉迫康史(Theatre Ort/たちかわ創造舎チーフ・ディレクター)
出演: Theatre Ort ほか
主催:立川シアタープロジェクト実行委員会(立川市・立川市地域文化振興財団・たちかわ創造舎)
協賛:株式会社共立
協力:株式会社合人社計画研究所
企画・製作:たちかわ創造舎
後援:立川商工会議所 立川観光協会 立川市教育委員会 国立市教育委員会 日野市教育委員会

 

文・写真:しも
長野県安曇野市出身、立川在住のフリーライター。レゲエユニット「KaRaLi(カラリ)」でミュージシャンとしても活動中。
KaRaLi:FacebookKaRaLi

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