Tachikawa Photo Essay『夏野菜の徒然』

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編集部が撮影した写真と短編エッセイで綴る「Tachikawa Photo Essay」

久しぶりの掲載になる今回は猛暑の陽気に夜の空気まで濁らせる日々が続く立川。昼に夜に食卓に並べるものに思い及ばぬこともあります。

夏野菜の徒然

夏野菜の徒然 季節柄、ピーマンや茄子の良いのが安くて嬉しい。

そのうえ国産豚挽肉が驚くほど安く売っていたから、勢いで1キロも買ってしまった。そのような次第で、今夜のメシは茄子ピーマンの麻婆丼だ。 地味な色ほど緑と紫は映えるから、半世紀も時を刻んだ蕎麦屋風の丼に米を盛った。文字どおり蕎麦色の器の端に、竹のような渋色の筋がかまちのように回してある。上物の彩りは悪くないが、鷹の爪の濃い赤も効かせた。効かせすぎて舌が痛い。 豚肉の匂いを飛ばそうとして窓を開けたが、まだまだ温さを飛ばさずの陽気。夏の只中。大袈裟な火の扱いは、三日に一度くらいにとどめた方が体にいい。

多めに作って残ったし、明日のお昼にはこれを中華そばかうどんの上にでもかけて食べようか。それともいっその事、ガスを使わずに食パンに挟んで齧ろうか。 皿洗いに水仕事。落ち着いたら水仕事で涼を取ろう。。

筆者プロフィール
おおつきみつあき
文筆家、イラストレーター

文・写真:Yuji Toda
立川新聞編集長/カメラマン
https://www.yujitoda.com/

立川CAMERA

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