Tachikawa Photo Essay「秋の道」/ 立川カメラ

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今年は暖かい気候のおかげでようやく見ごろを迎えた黄葉や紅葉。陽が黄色の葉をより鮮やかにしてくれるイチョウ並木に見惚れてしまします。

そんな、秋のひと時を切り取った写真とエッセイ、立川フォトエッセイをお届けします。


「秋の道」

そろそろ上着を羽織る頃合いだから

人の目に映る虹彩に黄色みを見る

窓辺の富士が紫色に染まる前に空の広がるところへ行くと、

佇む人の影はまだ長くない

世の中の声はふた色で、

常世の冷たさと浮世の色合いにほころぶ眼差し

温かい方へ向いて帆を張れば、きらきらした凪の妙

吹く風もまた優しく身を包んでくれる

足音が枯れた色を聞くころには師走を想い、

冬の面持ちに人の目も新しくなる


筆者プロフィール
おおつきみつあき
文筆家、イラストレーター

写真:Yuji Toda
立川新聞編集長/カメラマン
https://www.yujitoda.com/

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