先日稽古の様子を取材させてもらった、立川シアタープロジェクト(立川市・立川市地域文化振興財団・たちかわ創造舎)による「音楽劇 アラビアンナイト」。
去年末の12月23日・24日の2日間、たましんRISURUホールで行われた本番にもお邪魔させていただきました!
立川シアタープロジェクトが企画する「子どもとおとながいっしょに楽しむ舞台」の第一弾ということで、本当にお客さんが集まるのか、関係者の間からは不安の声が聞こえていましたが、当日は予想を覆す超満員。
23日は前売り券が完売で、当日券の販売場所にはチケットを求めるお客さんの群れ。
会場を見渡すと、お客さんの3~4割が子どもで、中にはドレスアップしたお子さんもチラホラいるのが印象的でした。
フロアでは、立川の若葉町にお店を構える「焼き菓子や ひとひとて」さんのクッキーも販売されていました。
現在お店は休業中ですが、今回この公演のために特別にクリスマス仕様のクッキーを準備してくれたそうです。
編集部もちゃっかり1つ買わせていただきましたが、しっかりとした歯ごたえと素朴な味わいが、まあ美味しいこと。
お店が再開されたら、ぜひ改めて立川新聞でお邪魔させてもらいたいと思います♪
三角形の折り紙を2つストローに貼り付けて、色とりどりの可愛らしいお星さま(?)を作っています。
一体何に使うのでしょう?
ホール内に入ってみると、ステージの上には大きな大きなベッドが。
キングサイズどころではなく、軽く10人以上眠れそうな大きさです。
まもなく開演という時間になると、Theatre Ortの主宰であり、本作の脚本と演出を手掛ける倉迫さんがステージの上からご挨拶。
「劇中に周りの子どもや赤ちゃんが泣きだすことがあっても、「元気でいいなあ♪」と、どうか優しい気持ちで見守ってあげてください。」
というあたたかいメッセージ。この言葉に安心したパパやママはかなり多かったのではないでしょうか。
そして、いよいよ開演。
ステージの上手(かみて)には、打楽器奏者の古川玄一郎さんが静かに登場。
シーンに合わせて、ビブラフォンやシンバル、タンバリン、ドラなどのさまざまな楽器を自在に操り、アラビアンナイトの世界を彩ります。
ビブラフォンでメロディを奏でながら、タンバリンや足元のペダルで小気味よいリズムを刻んだり、ときにはシンバルや小物の楽器にバイオリンの弓を擦り当てて不穏な効果音を響かせたり、“打楽器演奏”という枠組みに収まらないその多彩な表現は、まさに圧巻の一言。
アラビアンナイトはもともと、「妻の不貞を知ったアラビアの国王が女性不信になり、一夜を共にする女性を次々に殺すようになる。それを止めるために、1人の女性(シェヘラザード)が王に枕元で物語を語ると、その話がとてもおもしろく、王は毎晩話の続きが聞きたいと、その女性を生かし続ける。」という話が主軸になった小説です。
本作では、シェヘラザードが王に話した物語から、「空飛ぶじゅうたん」「星のさだめ」「アリババと40人の盗賊」を軸にお話が繰り広げられました。
照明や映像の演出により、巨大なベッドの上は荒れ狂う海や、ダイヤモンドが輝く鉱山、無人島に隠された地下室、客人を招いた城の広間など、さまざまな場面に変わっていきます。
手に汗握る大冒険や、華やかな歌とダンスに思わず心が躍ります!
ちなみに、リハーサルでこんな感じだったシーンは…
アクションにもアレンジが加わり、衣装や照明、音楽も相まって躍動的に進化しています!
楽しげなシーンから打って変わって、シリアスなシーンでは息を呑む緊張感。
特に「アリババと40人の盗賊」で登場する盗賊のリーダーが、まあ怖いこと。
大人も圧倒されるほどの迫力です。
子どもたちもドキドキしている中、盗賊がアリババの家に復讐をしようと目印を探いているとき、ワークショップで作ったお星さまが活躍!
「目印が多過ぎて家が見つからない!」と、全員で盗賊をギャフンと言わせました♪
場内は笑い声で包まれます。
やがて、大きな拍手の中、80分間の大冒険は幕を閉じました。
ホールを出ると、ロビーではさっそく、「お姉さんが綺麗だった!」「茶色い帽子の人(盗賊のこと)が怖かった!」「楽器の演奏が凄かった!」など、イキイキとした会話が飛び交っていました。
この日RISURUホールを訪れた人にとって、2016年のクリスマスはいつもと少し違う、特別な一日になったのではないでしょうか。
立川に素敵な“特別”をプレゼントしてくれた立川シアタープロジェクトのみなさん。
心からありがとうございました!!
そして、「ぜひ今年も…」と、願わずにはいられません。
と、その前に嬉しいお知らせ♪
1月20日(金)~22日(日)の3日間、武蔵野市の吉祥寺シアターでアラビアンナイトが再演されます!
去年見逃してしまった人も、去年観劇して「今年の年末まで待てないよ!」とファンになってしまった人も、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?
文・写真:しも
長野県安曇野市出身、立川在住のフリーライター。レゲエユニット「KaRaLi(カラリ)」でミュージシャンとしても活動中。
KaRaLi:FacebookKaRaLi