12月の立川、ノクターンの響きに憧れて。bar nocturneに靡いてしまう。

シェア・送る

立川通りにかかる曙陸橋のそば、立川センタービル裏の路地に淡い灯の看板が点ります。

bar nocturne「夜想曲」

写真の愛好家にはピンとくる響き。

そう、Nocturne=夜想曲から命名されたノクトニッコールは今でも60万円近い価格で取引されている伝説のレンズ。そんなイメージをダブらせて訪れたのがコロナ以前だったなぁ。夜が深くなる12月、久しぶりにbar nocturneへ行ってきました。

モナリザがほほ笑む、この灯りがちょうどいい。店内はカウンターとテーブルがひとつ。

「お久しぶりです」とカウンターの端の席へ。

「いらっしゃいませ」とマスター。コロナ後に営業を再開してから、はじめてBARに来てみたんですという、若い人や女性の方が増えたとかで「メニューを変えてみたんです」とマスターの引屋敷さん。

銘柄ではなく、「おすすめ・おまかせ」やカクテル類900円~、フルーツカクテル1,200円~、ウィスキー800円~のようにお客さんがたのみやすく、話しやすいようにしてみたんです。

それでは、マスター、バーボンのおすすめで。

それではとマスターチョイスのミクターズ。

カラカラコロンと氷の音、いい香りが漂います。

ノクターンさんは季節ごとに本格的なフードメニューも充実しているのがいいんですね。

目に留まったのが厚切りフォアグラとリンゴのソテー、しかもハーフサイズがあるじゃないですか。

ちょこっと食べたいという欲求を満たしてくれます。

おまたせしました。

厚切りフォアグラとリンゴのソテーのハーフサイズがこちら。

ウーーーン、いい匂い。これは間違いない。

カリっとした焼きの香ばしさと、とろっとしたフォアグラの風味にリンゴの爽やかさ。

これで780円? 

何かの間違いでしょとつぶやいてしまいます。

おいしい食事をいただいた後は、すっきりとしたカクテルで締めたいとマスターにお願いし、カクテルを作る姿を眺めることに。

バーならではのゆったりとした時間が、心地いいんです。

シングルモルトウィスキーにほうじ茶の茶葉と焙煎したコーヒーを漬け込んで香りを出した香ばしウィスキーにカシスとクランベリーを入れて香ばしくてフルーティーなカクテル、ほうじ茶とコーヒーのネグローニ。

おいしい・・・高級なチョコレートのような、ほろ苦さにドライなベリーの甘酸っぱさがなんとも癖になりそう。

じつは、引屋敷さん。バーテンダーの学校で講師をしている、生徒の憧れの存在。いずれはお店を持ちたいと週末と水曜日にスタッフとして入る大塚さんもその一人。大塚さんはカレーが好きで、お店でカレーを振る舞う事を条件にマスターからカレーの食べ歩きを支援して頂いたいるそうで、現在55店を訪れたとか。

そして水曜日、bar nocturneは「BAR 大塚」に。

新作カレー目当てのお客さんでオープンすぐにほぼ満席状態に。カレーにあわせてスパイシーなIPAビールで喉を潤します。

BAR大塚の新作カレーは吉祥寺のカレー専風門店リトルスパイスにて研究してきた「ブナチキンカレー 930円」。リトルスパイスではレバー、砂肝を使ったカレーを癖のない鶏肉のカレーに。スパイスをロースト、自家製香味オイル・トマト・鶏肉を炒め合わせ、香ばしさ・辛さにトマトの酸味が効いた味わい深いカレー。

カレーの専門店顔負けのうまさ!でした。

今年も残り少なくなってきました。BARでゆったり過ごし今年を振り返ってみたり、来年に想いを馳せたり、夜が長く、深くなるこれからの季節にいかがでしょうか。

bar nocturne

立川市曙町2-23-6 有田ビル3F

phone: 042-506-8405

営業時間:平日18:00~0:00  週末18:00~3:00 定休日:月曜

文・写真:Yuji Toda
立川新聞編集長/カメラマン
https://www.yujitoda.com/

シェア・送る